朝日新聞に!!

本日とちぎの元気力で、当農場が紹介されました。

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「とちぎの元気力 農業編」大田原市 古谷農産   /堀井正明

もみ殻を敷き詰めた光を遮る黒いシートをめくると、深く掘った栽培場に1メートルほどの白いウドが林のようにびっしり生えている。
「きれいに白く育ったウドを見ると、また頑張ろうという気になる」。古谷慶一さん(53)が、日焼けした顔をほころばせた。
栽培場の近くに収穫を終えたウドの根が2メートルを超えて積まれていた。「もみ殻、米ぬかなどを混ぜて堆肥を作ります」。有機農法を支える「宝の山」だ。
栽培面積は水稲10ヘクタール、大豆7ヘクタール、麦7ヘクタール、ソバ3ヘクタール、ウド3ヘクタール。草取りなど手間がかかる有機農法で、これだけ大規模な耕作をするのは、大変な労力が必要だ。「確かに手間はかかる。でも、百年先の地球を守ることを考えると、自然とそうせざるをえない」
有機農法を始めるきっかけは、体に取り込んだ農薬の影響は世代を超えて受け継がれる、という医師の講演を聞いたことだった。アトピーで苦しむ子供が身内にいたこともあり、関心のあるテーマだった。
本を読んで食の安全性について調べると、当たり前のように農薬と化学肥料を使っていた自分の農業のやり方に疑問が沸いてきた。2001(平成13)年ごろから独学で有機農法に取り組み始め、民間稲作研究所(上三川町)の稲葉光国代表の教えを受けて、2005(平成17)年に初めて有機JAS認証を取った。
米作りは「深水農法」で行っている。通常よりも深く水をはった田に米ぬかをまき、水面に藻を繁殖させて光を遮ることで雑草の発生を抑える。丹精込めて育てたコメはぱんぱんに実が入り、「冷めても甘みがある」との評価を得た。
順調に売り上げを伸ばした。明大農学部を卒業した長男・忠さん(24)が2010(平成22)年に就農し、法人化を進めていた矢先、東日本大震災に見舞われた。
福島第一原発事故の影響で、複数の検査機関から放射性セシウムが検出されない証明を受けても、事故の年に収穫したコメは、まったく売れなかった。
自然をとりこむ農法ゆえに原発事故の打撃は大きかった。事故から2年たっても苦境は続く。だが、「百年先 われわの未だ見ぬ子孫にも 郷土の自然を伝えましょう」と書いた看板を下ろすつもりはない。
「将来を担う子供たちに安全な食を提供したい。負けるわけにはいかない。死ぬまでオレは有機農法をやっていく」。穏やかな口調で、古谷さんは言った。
(堀井正明)

古谷農産 大田原市加治屋を中心に有機農法でコメ、麦、大豆、ソバなど耕作する。道の駅「那須与一の郷」、直販所「愛菜園」などに出荷。ホームページ(http://www.furuya−farm.com/)で販売もしている。問い合わせは0287・23・3502へ。

○積極的に情報発信
古谷さんは「農業と食の大切さ」を伝える情報発信にも積極的だ。小学生の親子を対象に田植えと稲刈りの体験学習などを実施、大田原市が始めた「グリーンツーリズム」では都会の旅行者の農業体験にも協力している。
「実際に食べてもらうのが一番」と、そば湯もおいしいと評判の乾麺「極十割そば」、無農薬の小麦を使った「与一うどん」など自作の農産物を使った商品の販売も行っている。

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